簡単に自転車を洗いたい!環境別洗車方法とおすすめ洗車アイテム

自転車の簡単な洗車方法に関する記事です。

とにかくめんどくさいイメージがある自転車の洗車ですが、たとえ簡単な洗車方法でも適切な方法でクリーニングを行えば、洗車後の乗車では圧倒的な爽快感を体感できます。

洗車程度でどれほど乗り心地が違うの?という話ですが、適切な方法で洗車を行うと、フレームやホイールが新車購入時の輝きを取り戻して気持ちがいいというだけでなく、ドライブレーン(自転車の駆動に重要なパーツ)をきちんと洗浄した後で適切に注油を行えば、驚くほど軽快な走りを取り戻すことができます。

洗車後の気持ち良さを一度味わうと、逆に洗車が楽しみになってくるほど乗り心地が違うわけですが、とは言ってもやっぱりめんどくさいことに変わりはありません。

この記事では、そんな手間のかかる自転車の洗車を、できるだけ簡単かつスピーディーに行うために必要なアイテムの紹介と、簡単洗車の手順についてできるだけわかりやすく解説したいと思います。

この記事では自転車の洗車をできるだけ簡単に行うために必要なおすすめアイテムと、その使い方洗車手順について以下のような想定で説明しています。

  • ロードバイク、クロスバイク、ミニベロ、電動自転車などの洗車方法
  • 水が流せる環境での簡単な洗車方法
  • 水が流せない環境での簡単な洗車方法
  • 洗車後の注油とメンテナンス方法
  • 面倒な洗車回数を減らすための日々の簡単5分クリーニング
目次

自転車の適切な洗車のタイミング

まず気になるのが、自転車はどのくらいの頻度で洗車を行えばよいかという話ですが、人により使用頻度や走行距離が異なりますので何日に1回とは一概には言えません。

「自転車通勤で長距離を毎日のように走っている人」「主に週末だけサイクリングを楽しむ人」とでは必要な洗車タイミングも異なるでしょうし、室内保管室外保管かによっても変わってくるかと思います。

軽快な走行感を維持しつつ、自転車を長く愛用するためには洗車のタイミングをどう判断すればよいのでしょうか?

洗車の頻度は多ければ多いほど良いのはもちろんなのですが、ここでは、限られた時間の中で最低限必要な洗車を行うタイミングについて、日数や走行距離以外の項目で判断してみることにします。

チェーンの汚れ具合・音で判断

洗車を行うべきタイミングを適切に判断できる最も重要なパーツチェーンです。

チェーンは自転車のパーツの中でも特に汚れやすい部分であり、磨耗による鉄の粉末オイル巻き上げた泥などが混ざりあって非常に厄介な汚れとなります。

それらの汚れが引き起こす摩擦は、ペダリングの効率を落とすだけでなく、チェーンそのものをさらに摩耗させ、関連する他のパーツへも影響を及ぼし、駆動系のあらゆるパーツの寿命を縮める結果となってしまいます。
電動自転車であれば航続距離がかなり短くなってしまうでしょう。

逆に考えれば、チェーンの汚れ具合により洗車を行うタイミングを適切に判断できるということになります。
下の項目のような症状が確認できたら洗車を行いましょう。

チェーンの汚れ具合や音により洗車のタイミングを判断

  1. チェーンに黒ずみや泥の付着が目視で確認できる
  2. オイルが流れ落ちてチェーンのツヤがなくなった状態
  3. ペダリングの際、チェーンから「シャリシャリ」とした音が鳴る
  4. チェーンに茶色やオレンジ色のサビが付着している

番号が大きい項目ほどより汚れがひどい状態ですが、1や2の時点ですぐに洗車を行った方がよいと考えましょう。

写真は、チェーンが黒ずんでかなり汚れが付着した状態です。

こうなると、フレームが汚れてなくともチェーンの洗浄と注油だけは行った方が良いかもしれません。

汚れて艶がなくなった状態のチェーン

チェーンのオイルが完全に流れ落ちて艶がなくなった状態。

この時点でペダリングの際に「シャリシャリ」と音が鳴るためすぐに気付くことができます。

この状態までくると、チェーンの負荷がペダリングに与える影響も相当なものなので、すぐさま洗車を行いましょう。

雨の中で乗った日の直後

雨によるフレームの汚れ

雨の中で自転車に乗った場合は地面の泥やらなんやらを巻き上げてフレームがひどく汚れた状態になっているかと思います。

これらの汚れは、チェーンやスプロケット、ディレイラーなどのドライブレーンにも付着しており、ほっておくとチェーンなどを摩耗させるだけでなく、他のパーツにも大きなダメージを与えて、ペダリング効率を大きく損ないます

オイルが完全に切れたチェーンで雨の日に乗って放置していると、一晩で写真のような錆が発生してしまいます。

万が一写真のようになってしまったら、ラスペネなどの浸透性潤滑剤を吹き付けて不織布などで拭き取ってあげればとりあえずの応急処置になります。

応急処置の後は、できるだけ早く時間を見つけて洗車と注油を行いましょう。

チェーンに錆が発生した場合の応急処置に使用できるケミカル

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環境別|洗車方法の基本的な流れ

自転車の洗車を面倒だと感じてしまう大きな理由の一つとして、そもそも自転車を洗える場所がないということが考えられます。

一戸建てで庭や駐車場がある場合は特に面倒には感じないかもしれませんが、マンション住まいだと自転車を洗える場所がかなり限られます。

つまり、自転車の洗車場所の環境で、できうる洗車方法が大きく異なってくるということです。

汚れた水が流せるかどうかで洗車方法が変わる

自転車の洗車場所の環境とは、汚れた水が流せるかどうかということです。

マンションだと近隣への配慮も怠ってはいけませんし、広いベランダがあったとしてもオイルや泥でまみれた汚水をそのまま垂れ流すとベランダの防水層や建物の配管にダメージを与えかねません。

この記事ではそういった点も考慮して、使用する洗剤をできるだけ環境に与えるダメージの少ないものを選び、「水が流せる場合」「水が流せない場合」の2パターンの洗車手順について解説していきます。

洗車方法の基本的な流れ

自転車の洗車手順のおおまかな流れは以下の通りです。


水が流せる環境である場合でも、水が流せない環境である場合でも、自転車洗浄の基本的な流れは変わりません。
水が流せる場合は①〜⑥のステップ通りに、水が流せない場合は①と④のステップを省略してください。

自転車の簡単洗浄の基本的な手順

STEP
中性洗剤で大まかな汚れを軽く流す(水が流せる場合)

スプレーボトルなどを使って、中性洗剤(台所洗剤など)とぬるま湯をよく混ぜ合わせた洗浄液を自転車全体に吹き付けます。
その後、ホースやペットボトルなどを使用して、自転車全体をすすぎ洗いします。
このステップでは付着した泥や砂、ゴミなど、目立つ汚れをさっと流す程度で構いません。

水が流せない場合はこのステップは省略してください。

STEP
ドライブレーンのクリーニング

最も重要なドライブレーン(チェーン、スプロケット、ガイドプーリー、テンションプーリー、フロントチェーンリングなど)のクリーニングを行います。

ドライブレーンの洗浄には専用の洗浄液を使用するのが効率的です。
泥とオイルが混ざった、もっとも汚れがひどい場所であるため、それらの汚れに対応した洗浄液で他のパーツに汚れが広がらないように真っ先に綺麗にします。

ドライブレーン関連用語解説

洗車時のクリーニングで特に重要なのは下図の赤い部分です。
チェーンおよびチェーンが触れるギア類全てだとお考えください。

STEP
フォーミングクリーナーで丸洗い

フォーミングクリーナーの登場で自転車の洗車が圧倒的に簡単になりました。
フォーミングクリーナーはスプレー式の洗剤で、泡で自転車を丸ごと洗浄できる自転車専用のクリーナーです。
バーテープやサドルシートなど素材を気にすることなくすべてのパーツに使用できる上、水で洗い流すことなく不織布などで拭き取るだけである程度のクリーニングができてしまうのが大きな特徴です。

フォーミングクリーナーを自転車全体に吹きつけたあとは、水が流せる環境である場合はそのまま次のすすぎ洗いのステップに進み洗い流せない場合は不織布やブラシ、スポンジなどを使用してパーツの細かい隙間などの汚れと洗剤、および水分を念入りに取り除きます

STEP
すすぎ洗い(水が流せる場合)

水が流せる場合はホースやペットボトルなどを使用してすすぎ洗いをします。
フォーミングクリーナーで浮かせた汚れを洗剤ごと洗い流せるため、すすぎ洗いを行った方がより細かい部分を綺麗にすることができます。

水が流せない場合はこのステップは省略してください。

STEP
フレーム・ホイールの艶出し仕上げ

仕上げに専用のケミカルを使用してフレームの艶出しを行います。
これらのケミカルには洗浄成分も含まれていますので残っている汚れを取り除きつつ、フレームやホイール、各種パーツをピカピカ、ツヤツヤに仕上げることができます。

STEP
チェーンおよび各パーツへの注油

洗車後はチェーンへの注油を行います。
チェーンへの注油は、チェーンのリンク同士の摩擦を減らし、錆の発生を防いでくれます。
チェーンを長持ちさせるのと同時に、洗車後の乗車でペダリングの圧倒的な軽快感を味わうには必ず必要な工程です。

またチェーン以外にも注油を行うべきパーツがいろいろとありますので、実践編で詳しく解説いたします。

自転車の洗車におすすめの洗剤とアイテム

前項目で自転車の洗車の基本的な流れがご理解できたかと思います。

ここでは、自転車の洗車をより簡単に行うためにおすすめのアイテムや洗浄剤などをご紹介します。

自転車の簡単洗車におすすめの洗浄アイテム

自転車の洗浄アイテム、特に洗浄剤は多種多様な種類が販売されており、非常に奥の深い製品です。
この記事では、とにかく簡単に、楽しく、できるだけコストをかけずに自転車を洗車することを主眼において、オススメの洗車アイテムを紹介いたします。

フォーミングクリーナーで簡単丸ごと洗浄

この記事は「フォーミングクリーナーの存在で成り立っている」といっても言い過ぎではありません。
この商品が発売されるようになって、自転車の洗車が圧倒的に簡単で楽しいものになりました。

まずはこちらの商品の紹介です。

ワコーズさんがガラスクリーナーを改良して開発した「フォーミングマルチクリーナー」は泡で汚れを浮かせて落とす自転車洗浄専用のフォーミングクリーナーです。

ガラスクリーナー のPH値を調整して素材への攻撃性を抑え、チェーンやフレームはもちろんのこと、樹脂パーツやバーテープなども含めて素材を気にすることなく自転車のあらゆる部位に使用できるようにした優れものです。

余計なコーティング成分を含まない「ノンシリコン」であること、水で洗浄成分を簡単に洗い流せる「水溶性」であることも重要なポイントです。

ワコーズさんの「フォーミングマルチクリーナー」と同時期に発売されたエバーズさんの「自転車丸洗いクリーナー」です。
ワコーズさんの「フォーミングマルチクリーナー」と同様に、洗浄成分を含んだ泡で汚れや油分を浮かして拭き取ることで、自転車の水無し洗浄を可能としています。

「フォーミングマルチクリーナー」と比べると、泡持ちが若干物足りない気もしますが、値段に比例して洗浄性能がそれほど劣るとは感じられませんでした。(個人的な感想です)
コストパフォーマンスが良いと考え、個人的にはこの商品を愛用しています。

水無し洗浄を謳い文句にしていますが、水ですすぎ洗いを行い、洗浄成分ごと汚れを洗い流した方がより綺麗に仕上げることができるのは間違いありません。

呉工業のフォーミングウルトラクリーナーについて

紹介したフォーミングクリーナーに似たような商品として、呉工業の「フォーミングウルトラクリーナー」があります。

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ワコーズさんやエバーズさんのフォーミングクリーナーが泡でじっくりと汚れを浮かせて綺麗にするタイプであるのに対して、呉工業さんのこの商品は、発泡性の泡が瞬間的に液状化して、その過程で汚れを巻き込んで綺麗にするといった感じです。
泡がすぐに液状化してしまいますので、自転車の丸洗い用としては少し物足りなく、どちらかというと水溶性のパーツクリーナーのような感じです。

洗浄性は十分かと思いますが、使い心地を考えると他社の製品より優れているとは言えないためオススメからは外させていただきました。

市販のガラスクリーナーは「フォーミングクリーナー」の代用品になるか

ワコーズさんの「フォーミングマルチクリーナー」はもともと同社のガラスクリーナーを改良して開発されたという経緯があります。
溶剤や、余計なコーティング成分を含まずに、PH値を調整して洗浄性を抑えた弱アルカリ性としているため、素材を選ばずに使用できるというのが最大の特徴です。

通常のガラスクリーナーにも同じように泡で汚れを落とすタイプの商品があり、値段も安く、成分も似ているのでフォーミングクリーナーの代用になると思われがちですが、同じ弱アルカリ性でもPH値が強く、古い塗装面や樹脂素材、ゴム素材などに対して攻撃性が強すぎるという難点があります。
また、コーティング成分が含まれている製品がほとんどなので、チェーンなどに使用するとその成分が余計な摩擦抵抗を引き起こす可能性があります。
ということで、市販のガラスクリーナーを自転車に使用するのは「あまりオススメできない」と考えます。

ドライブレーンのクリーニングに必須&おすすめアイテム

次は、自転車の洗車で最も重要な部分であるドライブレーンに使用する洗浄アイテムの紹介です。

AZ(エーゼット) さんの「自転車オールメンテナンス5点セット」はドライブレーンのクリーニングと注油に必要な4つの商品に、フレームやホイールの洗浄+艶出しに使用する仕上げ剤がセットになった、最初に購入する洗車アイテムとしてはまさにぴったりの商品です。
無駄な商品がひとつもないので大変コストパフォーマンスがよいです。
送料を考えると個別に買うよりかなりお得な値段となっているので私は繰り返しこのセットを購入しています。

「自転車オールメンテナンス5点セット」商品内容
チェーン洗浄機
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洗浄液を入れた洗浄器をチェーンにセットして、ペダルをぐるぐる回すだけでチェーンの汚れと古いオイルを除去してくれます。
洗浄器はもっと高くて良い商品もありますが、中のブラシが傷んでしまうのでチェーンディグリーサーが切れてしまったら同時に新しいものを買って古いものは使い捨てています。

チェーンディグリーザー

チェーン洗浄器の中に入れるチェーン専用の洗浄液です。
ドライブレーンのクリーニングには欠かせません。
スプロケットやガイドプーリー、テンションプーリーなどのギアにはブラシにディグリーザーを含ませてゴシゴシしてやるとある程度綺麗になります。

ギアクリーニングブラシ

チェーンやディレイラーなど細かい部分を掃除するのに使用するブラシです。
毛足が長く硬いのでいろんな場所に使用できて使い勝手が良いです。
もう一本は、スプロケットのギアの間に入り込んだゴミや汚れをかき出すのに使用します。

チェーンルブ

チェーンの注油に使用するチェーンルブは、天候や走行する環境に合わせて様々なタイプがありますが、この商品はどのような環境にもある程度の性能を発揮する万能タイプです。
洗車後のチェーンへの注油は、チェーンの保護と摩擦抵抗の低減に絶対に必要な工程ですので、忘れず注油を行いましょう。

バイクウォッシュ
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フレームやホイールの艶出し仕上げに使用するクリーナーです。
しっかりとした洗浄成分も入っており、フォーミングクリーナーで落とし切れなかった汚れもこれでスッキリと綺麗にできます。
コストパフォーマンスに優れた商品です。

メンテナンススタンド

チェーン洗浄器を使用するときにあると便利なアイテムがメンテナンススタンドです。
洗浄器でチェーンの裏側をクリーニングするときには後輪が回る状態である必要があるため、メンテナンススタンドを使って後輪を地面から浮かせる必要があります。
軽い自転車であれば、自転車を地面に裏返しに置けば後輪がフリーになりますので必ずしも必要なものではありません。

ダイヤモンドフレームのロードバイクやクロスバイクに使用できるスタンドです。
後輪側のフレーム(チェーンステーとシートステー)を引っ掛けるだけですので素早く設置できます。

後輪のクイックレバー部分に設置するタイプのスタンドです。
設置には多少手間がかかります。
車軸取り付け部の形状によっては設置できないタイプもありますのでご注意ください。
プラスチック製なので電動自転車などの重い自転車にも向きません。

ワールドサイクル
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こちらのミノウラ W-3100 ワークスタンドは、シートポストやトップチューブで固定するメンテナンススタンドですので、どのような自転車でも使用できます。
鉄製のしっかりとした作りですので、記事の後半の実践編にでてくる電動自転車(BESV PSA1)のような20kg近い重量がある自転車でもしっかりと固定できます。
自転車を高い位置に簡単に固定できますので、地面に座り込んでメンテナンスを行う必要がなく、身体にかかる負担が少なく圧倒的に楽です。
少しお高いのと、重量があり場所を取るのが難点ですが、使用していないときにはディスプレイスタンドにもなるのでオススメの商品です。

100均やサイクルショップで買える自転車洗浄グッズ

自転車の洗車に必要なアイテムを買い揃えると結構なコストがかかってしまいます。
そういったアイテムを買い揃えるのも一つの楽しみではあるのですが、できるだけコストを抑えるためにもダイソーなどの100均や近所のサイクルショップで購入できる自転車の洗車に使えるアイテムを紹介いたします。

お得♪100均やサイクルショップで買える自転車洗浄グッズ一覧
ペットボトル取り付けスプレーノズル

100均の園芸コーナーにあるペットボトルに取り付けるタイプのスプレーノズルです。
ステップ1の工程で、ぬるま湯に中性洗剤を混ぜ合わせて自転車全体に吹き付けて使用します。
もちろん家庭で使い切った洗浄スプレーなどを再利用してもよいです。

オススメはお風呂洗い用のエアジェットマジックリンの空きボトルです。

ペットボトル取り付け用ジョウロ

同じく100均の園芸コーナーにあるペットボトルに取り付けるタイプのジョウロです。
ステップ1と4の工程のすすぎ洗いに使用します。
逆さにしてペットボトルを握りこむと勢いよく水が出るタイプなので、本当に使いやすい優れた商品です。

500ml〜1ℓのペットボトルに取り付けることができて、1回の洗車で2〜3ℓ程度の水を使います。必要分のペットボトルを用意しておけばジョウロを付け替えるだけで済むのでホースは不要です。

不織布(マイクロファイバーふきん)

100均のお掃除コーナーにある、吸水性の高いマイクロファイバーのふきん(3枚入り)です。
洗車のあらゆる工程で使うので、大量に使用します。

不織布は通常のタオルなどと違い繊維が織り込まれていないため、余計な引っかかりがなく自転車の洗車には欠かせません。
この製品は3色の不織布がセットになっているので、部位によって使い分けたりと使い勝手が良いです。

洗車用スポンジ(ソフトタイプ)

洗車用のソフトタイプのスポンジです。
100均のカー用品コーナーお風呂洗いグッズのコーナーで販売されています。

不織布と同様に洗車のあらゆる工程で使用します

普通の台所用のスポンジは研磨繊維が含まれていてフレームの塗装面や金属素材を傷つけるため避けたほうが無難です。
同じ理由でメラミンスポンジも自転車の洗車には過度に使用しないほうが良いでしょう。

塗装用ブラシ(獣毛)

100均のDIYコーナーなどに売っている塗装用のブラシです。
ブレーキやディレイラーなど、自転車の細かいパーツの隙間を掃除するのに便利です。

その際、刷毛に使用されている毛はナイロンタイプではなく獣毛(特に豚の毛)が汚れを落としやすいのでオススメです。
塗装用ブラシは幅もいろいろな寸法がラインナップされているので何種類か用意しておいてもよいでしょう。

クリーナーシート(フレーム・ホイール用)

100均のカー用品コーナーに売っている車用のクリーナーシートです。
洗車後の日々のメンテナンスに使用します。
自転車のフレーム専用の製品もありますが、同じ塗装面に使用するので車用のもので問題ないですし、内容量が多いので断然お得です。

この製品は大判サイズのシートが10枚入っていました。
成分は水、アルコール類、界面活性剤、グリコール類、PG(プロピレングリコール)、防腐剤、除菌剤です。

クリーナーシート(チェーン用)

自転車のチェーン専用のクリーナーシートです。
洗車後の日々のチェーンメンテナンスに使用します。
近所の100均を何軒かはしごしましたが売っていなかったため、この商品だけはサイクルショップにて購入しました。

普通のクリーナーシートでは、余計なコーティング成分がチェーンに悪影響を与える恐れがあるため、自転車のチェーンやギアには専用のクリーナーシートを使用したほうがよいでしょう。

ポリエチレン手袋

100均のお掃除コーナーにある、ポリエチレン製の使い捨て手袋です。
手荒れを防ぎたい人や、オイルで手を汚したくない人には必須です。

洗車時は自転車のパーツですぐに破けることがあるため注意してください。
気づいたら手袋の中までオイルまみれなんてことがあります。
ちなみにめんどくさいので私は使っていません。
手についたオイルはハンドソープですぐに落ちますし。

紹介した「100均やサイクルショップで買える自転車洗浄グッズ」の合計8点をメルカリにて出品しています。
値段は「原価+送料+販売手数料+α」での販売ですので、ご自分で100均やサイクルショップで購入した方が安いです。
100均をはしごするのがめんどくさい人だけご利用ください♪
売り切れの際はご容赦を。

その他のおすすめ洗車アイテム

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チェーンなどに水分が付着した状態でも使用できる水置換オイルスプレーです。
その名の通り、水置換剤が配合されたオイルが水分の下に浸透し、優れた防錆力で金属を錆から守ってくれます。
チェーンなどの金属素材が完全に乾くのを待つ必要がなくなるため、洗車時の時短におおいに活躍します。
ディレイラーやブレーキ本体の可動部、ブレーキレバーやシフトレバーの可動部など、注油が必要な細かい場所に使用しやすいので、個人的なオススメアイテムです。

前後輪のハブ(車軸部分)、ボトムブラケット(クランクの中心軸部分)、ディスクブレーキローター、キャリパブレーキやVブレーキのブレーキシュー、ブレーキシューが接触するホイールリムへの使用はできません。

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100均でも売っている5ℓ程度の大きさのバケツです。
中性洗剤を混ぜ合わせたぬるま湯を満たして、チェーン洗浄器やブラシ、スポンジなどの洗浄に使用します。
あまり大きいものだと水が無駄になるので5ℓくらいのものがちょうど良いかと思います。

水が流せない環境でのチェーン洗浄時に、洗浄液が下に垂れても良いように床面の養生に使用するステンレス製の大型トレーです。
使い方を考えると最低でもA3以上の大きさが欲しいところです。
ただし、トレー1枚では絶対に防ぎきれないので、新聞紙や使い古したバスタオル、養生シートなどと併用してください。
さすがにこの大きさのステンレストレーは100均では売ってないので、ホームセンターやウェブサイトなどで購入しましょう。

メンテナンス時に無くしてはいけない部品の仮置きに使用したり、分解したスプロケットにパーツクリーナーをぶっかける際にも重宝します。

環境別簡単な自転車洗浄の手順【実践編】

それでは上で紹介したアイテムを使用して実際に自転車の洗車を行います。

今回洗車する自転車はBESV PSA1という電動自転車です。

20kg近い重量がある上、構造上通常のメンテナンススタンドが使えないため、「ミノウラ W-3100 ワークスタンド」を使用しています。

ライトやテールランプなどの余計な電気製品は取り外していますが、内部に水が入り込まないようにバッテリーはつけたままです。

このスタンドは写真の通り作業位置を高く保てるため、身体への負担が少なく本当に楽で助かっています。
(ロードバイクであればトップチューブで固定できるため、さらに高い位置に固定できます)
ポストに取り付けられる工具類が置けるトレーも使い勝手がよいです。

そのほか、洗車に使用するケミカル類、水を入れたペットボトル(ジョウロ付き)、チェーン洗浄器やブラシ類、上で紹介した100均グッズなどを準備しましょう。

バケツの中にはぬるま湯を1/3ほど入れて、キャップ1〜2杯の中性洗剤を入れた上でかき混ぜておきます。

これは自転車に直接かけるのではなく、汚れた洗浄器やブラシ類を洗うために使用します。

すぐに真っ黒になりますので、途中で何度か水を取り替える必要があるかもしれません。

洗車準備完了です。
それでは実際に洗車していきます。

①中性洗剤で水洗い(水が流せる環境の場合)

水が流せない環境の場合、このステップは省略してください。

まずは中性洗剤を溶かせたぬるま湯を入れたスプレーで、洗剤を自転車全体に吹き付けます。

中性洗剤は素材を気にせず全てのパーツ(電気系統を除く)に使用できますので、汚れが酷い部分を重点的に全体に吹き付けましょう。

チェーンやスプロケットなどの金属部分にもたっぷりと吹き付けます。

写真のスプレーはエアジェットマジックリンの空きボトルを再利用しています♪

次にジョウロを取り付けたペットボトルの水で先ほどの洗剤ごと汚れをすすぎ洗いします。

紹介したジョウロにはシャワータイプ水差しタイプがありますが、どちらも下に向けてペットボトルを握りこむとかなりの勢いで水が出ます。

水圧で砂や泥を吹き飛ばしましょう。

フレームなどには汚れが残ってしまいますがこの段階で気にする必要はありません。

②ドライブレーン(チェーン)のクリーニング

自転車の洗車において最も重要なドライブレーンの洗浄に入ります。
まずはチェーン洗浄器を使用したチェーンの洗浄です。

水が流させない環境の方は、養生シートや古いバスタオル、新聞紙などを敷いて念入りに床面を養生してください。

チェーン洗浄器を使ったチェーンの洗浄方法

使用するアイテムは以下の2つです。

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はじめにチェーン洗浄器の蓋を外して、チェーンディグリーザーを流し込みます。
洗浄器の高さの1/3〜1/2くらい入れれば十分です。
(大量にいれてもこぼれるだけです)

まずはチェーンの裏側を洗浄するため、洗浄器を上側のチェーンにセットします。

洗浄器の蓋を開けたままチェーンを洗浄器の中に通して蓋をかぶせ、ハンドルをカチッと音がなるまでスライドさせて取り付ければ蓋がロックされます。

セットする際には洗浄器を水平に保ったまま取り付けないと液がこぼれてしまうので注意してください。

セットが完了したら洗浄器を左手で固定して、チェーン落ちに注意しつつ、右手でペダルを前に進む方向に50回以上ぐるぐると回します

この時、後輪が動く状態でないとペダルが回せないため、メンテナンススタンドが必要になるのはそのためです。
(自転車を逆さまに置けばメンテナンススタンドは必要ありませんが、バーテープやサドルが汚れる可能性があります。)

ペダルを回していると、洗浄器フロントチェーンリングから汚れた液体がボタボタ垂れてきますので、ステンレストレーで受けておくと後の掃除が楽です。

十分に回し終えたら、洗浄器を外して蓋をした状態でバケツの中でジャブジャブと洗浄器を丸ごと洗います。

中から真っ黒な汚水が出てきますので、一旦ステンレストレーに捨てて後ほど適切に処理してください。

同様にチェーンの表側を洗浄するため、下側のチェーンにも洗浄器をセットして、またまたチェーン落ちに注意しつつ、今度はペダルを逆回転にぐるぐると50回以上回します

一度で綺麗にならない場合は、チェーンの裏表の洗浄工程を2回ほど繰り返します。

チェーンの内側まで完璧に綺麗にしたい場合は、歯間ブラシなどをチェーンのリンクとリンクの間に突っ込んで、一コマずつ綺麗にしていく必要があります。

が、ここまでやると相当な手間なので、こうなってくるとチェーンが簡単に取り外せるようにクイックリンク(ミッシングリンク)の装着を検討した方がよいかもしれません。

クイックリンクの使い方については別記事にて解説します。

チェーンの洗浄は以上です。

他のドライブレーンの洗浄方法

次に、他のドライブレーン(スプロケットやディレイラー)の汚れをチェックします。

スプロケットが真っ黒な上、ギアの間に汚れやなんやらが溜まりまくっていました。

AZさんのセットに含まれているスプロケット専用のブラシチェーンディグリーザーを含ませて、ギアとギアの間をゴシゴシと擦ってやります。

こびりついたゴミなどは、同じくAZさんのセットに含まれているプラスチックのギザギザのやつで汚れを掻き出してやります。

ガイドプーリーやテンションプーリーのギア部分にも汚れが蓄積していると思います。
こちらは塗装用の刷毛チェーンディグリーザーを含ませてゴシゴシと擦ってやります。

シールドベアリングタイプのディレイラーは、中のグリスが溶け出してしまう恐れがあるため、回転軸部分にディグリーザーが染み込まないように注意してください。

シマノのディレイラーでシールドベアリングが使用されている製品一覧
  • ULTEGRA(RD-6800より古いモデルはプーリーのみシールドベアリング
  • ULTEGRA (RD-6800以降のモデル)
  • DURA-ACE
  • DEORE XT
  • SAINT (プーリーのみシールドベアリング)
  • XTR

ドライブレーンの洗浄が終わったら、次はフォーミングクリーナーを使って自転車を丸ごと洗浄します。
この段階でドライブレーンにはまだ汚れが残っていると思いますが、フォーミングクリーナーで丸ごと綺麗にできますので気にせず次のステップに進みましょう。

③フォーミングクリーナーで丸ごと泡洗浄

いよいよフォーミングクリーナーの登場です。
今回はコストパフォーマンスの良いエバーズさんの「自転車丸洗いクリーナー」を使用します。

フォーミングクリーナーを自転車全体に吹き付ける

フォーミングクリーナーを自転車全体に吹き付けていきます。

泡持ちを考えて前と後ろ、左右の片面ずつ合計4分割ぐらいに分けて吹き付けていきます。

泡が消えないうちにソフトタイプのスポンジで丁寧に拭き取ってやれば、これだけでかなり綺麗になります。

チェーン、スプロケット、ディレイラー、フロントチェーンリングなどのドライブレーンにも、もう一度念入りに吹き付けておきます。

前のステップで、ディグリーザーで落としきれなかった汚れは、この時にもう一度ブラシでこすり落とします。

ブラシで細かい部分をクリーニング

ブレーキ類、フレームの間の細かい部分ブラシを使って汚れを掻き出しましょう。

ブラシはその都度バケツでゆすぎながら使用します。

これらの写真では、写真を撮るのにもたついている間に泡が消えちゃっていますが、汚れは泡と一緒にブラシに絡めて除去する感じで綺麗になります。

獣毛の塗装用刷毛は汚れを絡み取りやすくて、とても使いやすいです。

チェーン洗浄器でチェーンをすすぎ洗い

チェーンのすすぎ洗いを行います。

チェーン洗浄器に水だけを満たして、ディグリーザーでやったのと同じようにチェーンにセットしてペダルをぐるぐる回します。

今回は適度な回数を回すだけで良いでしょう。

チェーンの表側と裏側を1回ずつすすいで完了です。

フォーミングクリーナーを自転車全体に吹き付けて、細かい部分の汚れを落とせたなら、水が流せる環境にある人はこのまま次のステップにお進みください

水が流せない環境にある人は、ここから洗浄成分ごと拭き取り作業に入ります

汚れと洗浄成分の拭き取り作業(水が流せない場合)

水が流せない環境にある人は、スポンジマイクロファイバークロスなどを使いながら、自転車全体の水分を、汚れ、洗浄成分と一緒に拭きあげていきます

ガイドプーリーテンションプーリーにこびりついた汚れも、この段階でかなり柔らかくなっているはずなので、マイクロファイバークロスでギアをつまみながらペダルを回せば綺麗に落ちると思います。

スポンジマイクロファイバークロスはその都度バケツでゆすぎながら使用しましょう。

細かい部分まで拭き上げることができたらこのステップは完了です。

④洗剤と汚れをまとめてすすぎ洗い(水が流せる環境の場合)

水が流せない環境の場合、このステップは省略してください。

すすぎ洗い

水が流せる環境にある人は、自転車全体をすすぎ洗いします

100均で買ったペットボトルジョウロが活躍します。

ジョウロにはシャワータイプ水差しタイプがありますので、部位によってうまく使い分けてください。

ペットボトルを握りこむ力加減で水流の勢いが調整できます。

あれだけ汚れていたスプロケットもかなり綺麗になりました。

⑤フレーム・ホイールリムのクリーニングと艶出し

フレームとホイールの艶出し仕上げを行います。
使用するのはAZさんのバイクウォッシュBlw-001です。

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こちらの商品は、価格の割にかなりの洗浄力と抜群の艶出し効果があり、コストパフォーマンス抜群です。

ケミカルで艶出し仕上げ

フレームや各パーツにバイクウォッシュを吹き付けながらマイクロファイバークロスで拭きあげていきます。

パーツ同士の狭い隙間にもマイクロファイバークロスを差し込んで残った水分を拭き取っていきます。

仕上げですのでマイクロファイバークロスは綺麗で乾いたものを使用しましょう。

磨き込んで行けばどんどん艶が出てくるのでかなり楽しい作業です。

艶出し仕上げ完了

いい艶出てます♪

⑥水置換オイルスプレー&チェーンへの注油

洗車後はチェーンへの注油と各パーツ可動部への注油を行います。
特にチェーンへの注油は絶対に必要です。

まずは洗車後の注油メンテナンスで使用する商品をあらためて2つご紹介いたします。

まずは一つ目。
洗車後は注油するべき各パーツがまだ乾ききっていない状態かと思います。
そんなときはこちらの商品がオススメです。

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AZさんの水置換オイルスプレーはその名の通り金属に付着している水分に置き換わるようにオイルを浸透させてくれるスプレーです。
まだ乾ききっていないチェーンディレイラー、ブレーキなどの各パーツに使用できます。
金属との親和性と浸透力の高いオイルが、水の下に入り込んで金属から水分を分離してくれます。
まさに洗車後の注油に最適で、洗車後のメンテナンスの大幅な時短に役立ちます。

そして2つ目。
チェーンの仕上げに使用するのは以下の商品です。

先述の通り、チェーンへの注油に使用するチェーンルブは、オイルの粘度や潤滑性能などによって様々なラインナップがあります。
AZさんの5点セットに含まれるこちらの商品は、様々なライド環境にある程度の性能を発揮する万能タイプですので、どの商品が自分の使用環境にあっているかわからないというときは、ひとまずこの商品から使い始めてみるとよいかと思います。

それではチェーンと各パーツへの注油を行なっていきましょう。

チェーンへの注油

まずはチェーンです。

洗車後すぐの状態ではまだ水分を含んでいると思われますので、水置換オイルスプレーを吹きかけつつ、チェーンを一周させます。

滲み出た水分と余ったオイルはマイクロファイバークロスで拭き取ってあげましょう。

完全に乾いている状態であれば、水置換オイルスプレーを使用する必要はなく、そのままチェーンルブによる注油を行います。

チェーンの一コマ一コマにチェーンルブを注油していきます。

チェーンルブは、金属の表面をオイルの皮膜で覆い、水分や湿気による金属の酸化を防いでくれます。

同時に、チェーンの金属同士が触れ合う部分に浸透し、金属の摩耗を防ぎつつ摩擦による抵抗を低減してくれます。

ですので、チェーンルブはチェーンの金属同士が最も大きい面積で触れ合っている部分に重点的に注油していきましょう。

具体的には、チェーンのアウターリンクとインナーリンクが重なっている部分の外側と内側にそれぞれ一滴ずつ注油していきます。

通常チェーンは120コマ以上のリンクがありますのでかなり大変な作業ですが、その全てに注油していきます。

注油後は数時間そのまま放置してオイルがチェーンに浸透するのを待った後、キッチンペーパーなどで余分なオイルを軽く拭き取ります。

チェーンへの注油は以上で完了です。

次は各パーツ可動部への注油に移ります。
AZさんの水置換オイルスプレーを使用します。
細かい部分ですので水置換オイルスプレーの吹き出し部に付属のノズルを装着しましょう。

それでは各パーツの注油箇所を見ていきましょう。

機械式ディスクブレーキの注油場所

ブレーキ関連のパーツに注油します。

機械式ディスクブレーキの場合は以下の場所にノズルを使ってごく少量のオイルを浸透させます。

  1. ブレーキ作動時の回転軸部分
  2. ワイヤーのの引きしろ調整用のネジ
  3. パッド位置調整用のネジ
  4. ブレーキレバーの回転軸部分

はみ出たオイルは汚れの原因となりますので拭き取りましょう。

※写真は後日取り直したものなので各パーツがすでに汚れてしまっていますがお許しを・・・

ディスクブレーキのローターおよびブレーキパッドには、オイルが付着しないように細心の注意を払ってください。ブレーキの制動力が大幅に落ちる原因となります。
ブレーキ本体取り付け台座のネジにも注油は厳禁です。

キャリパーブレーキの注油場所

参考にキャリパーブレーキの注油箇所も掲載します。
以下の場所にノズルを使ってごく少量のオイルを浸透させます。

  1. ブレーキ作動時の回転部分
  2. センタリング調整ネジ(モデルによって位置が異なります)
  3. スプリング強さ調整ネジ
  4. ワイヤーの引きしろ調整用のネジ
  5. ブレーキ解放レバー

汚れの原因となりますので、余分なオイルは拭き取っておきましょう。

ホイールリムおよびブレーキシューには、オイルが付着しないように細心の注意を払ってください。ブレーキの制動力が大幅に落ちる原因となります。
真ん中上部のブレーキ取り付け台座のネジにも注油は厳禁です。

リアディレイラーの注油場所

リアディレイラーの注油場所です。

基本的には可動部分に全て注油します。
実際にシフト操作を行い、可動部分をご確認ください。
注油箇所はかなり多いです。

  1. シフト操作時の可動部分 裏側にもあります
  2. ガイドプーリーの回転軸部分
  3. テンションプーリーの回転軸部分
  4. Bテンションアジャストボルト
  5. H/L ストローク調整ボルト
  6. ケーブルテンション調整ボルト

※ ②ガイドプーリーおよび③テンションプーリーがシールドベアリングの場合は、内部のグリスが溶け出てしまうため注油は禁止です。

シマノのディレイラーでシールドベアリングが使用されている製品一覧
  • ULTEGRA(RD-6800より古いモデルはテンションプーリーのみシールドベアリング
  • ULTEGRA (RD-6800以降のモデル)
  • DURA-ACE
  • DEORE XT
  • SAINT (テンションプーリーのみシールドベアリング)
  • XTR

フロントディレイラー・デュアルコントロールレバーの注油場所

フロントディレイラーおよびデュアルコントロールレバーの注油箇所を掲載します。

こちらも数が多いですが、以下の場所にごく少量のオイルを吹き付けます。

  1. フロントディレイラーシフト操作時の回転部分
  2. ブレーキ操作時回転軸部分
  3. メインレバー回転軸部分
  4. 解除レバー回転軸部分

フロントディレイラーは実際にシフト操作を行って可動部の軸となっている部分を確認して注油してください。
前側と後側にそれぞれ4箇所ずつです。

デュアルコントロールレバーはブレーキ操作時の回転軸とシフトワイヤー巻き上げ時の回転軸部分、シフトワイヤー解除時の回転軸部分を実際の操作で確認して注油を行ってください。

デュアルコントロールレバーはそれほど汚れるパーツではないので、ごくごく少量の注油で良いかと思います。

チェーンおよび各パーツへの注油が完了しました。

これで、自転車の洗車の工程は全て完了です。

洗車後は試乗を行い、各部に異常がないか確認しましょう。
ドライブレーンのクリーニングによって驚くほど軽快な走りを取り戻せているかと思います。

ただし、ブレーキの制動力に問題がないかシフト操作はスムーズに行えているかなど、安全面についてもしっかりと確認をお願いします。

洗車後のメンテナンス

手間のかかる洗車をせっかく行なったのですから、綺麗な状態の自転車をできるだけ長く維持するためにも洗車後のメンテナンスは欠かせません。
簡単でも良いので日々のメンテナンスをしっかりと行うことで、手間のかかる洗車の回数を減らすことができます。

自転車に乗った後には数回の乗車に1回程度でも良いので、クリーナーシートを使って簡単に自転車の汚れを落としましょう。

ライド後の5分間クリーニング

クリーナーシートフレーム用チェーン用があり、それぞれサイクルショップなどで販売されています。

こちらは自転車のフレーム用クリーナーシートです。

自転車のフレームドライブレーン以外の各パーツなどの汚れをシート状のクロスでクリーニングできます。
乗車後に目立った汚れがある場合に、シートでサッと一拭きするだけですのでとても簡単で手間もかかりません。

こちらの商品は自転車のチェーン専用のクリーナーシートです。

最も汚れやすいドライブレーンは、このシートを使ってこまめに汚れを拭き取るだけで洗車回数を大幅に減らせます。
ただし、シート状なのでチェーンの表面の汚れは取れますが、内側の汚れまでは取ることはできません。
そして、オイル成分は入っていないので、このシートでチェーンの表面の汚れを拭き取った後にはチェーンルブによる注油をオススメします。

忙しい時はドライブレーンのクリーニングのみでOK

自転車に乗っているとまず最初に汚れてくるのはドライブレーンです。
次点で、タイヤとホイール。
そしてドライブレーン周りのボディーやブレーキ関連といった順番で汚れてきます。

ドライブレーンの汚れは、効率的な力の伝導に悪影響を与え、軽快な乗り心地を損ないます。
ですので、そういった状態を感じたたけれども、自転車をフルに洗車する時間は取れないといった時は、ドライブレーンのクリーニングを行うだけでも、よいかと思います。

ドライブレーン周りのオイル汚れはどんどん周りに広がっていきますので、ここをこまめにクリーニングすることで、軽快な乗り心地を維持しやすく、結果的にフルでの洗車回数を減らせることになるかと思います。

自転車の洗車時にやってはいけないこと

簡単な自転車の洗車とおすすめアイテムについての記事は以上です。

最後に洗車時に自転車にダメージを与えてしまう可能性のあるタブーについて触れておきます。

❌ 自転車の洗車時にやってはいけないこと
  • 高圧洗浄機による洗車
  • スチームクリーナーによる洗車
  • 以下のパーツへの注油
    • 前後輪のハブ(回転軸部分)
    • ボトムブラケット(クランクの回転軸部分)
    • ブレーキ、ディレイラーの取り付け台座
    • デスクブレーキローターの固定ネジ
    • ブレーキパッド、ディスクブレーキローター、リムブレーキのホイールリム部分

高圧洗浄機やスチームクリーナーを使用すると、ハブやボトムブラケット、上位クラスのディレイラーなどに使用されているシールドベアリングの内部に水分が侵入し、内部に錆を発生させる恐れがあります。
最も重要な自転車の駆動に関する回転部分にダメージを与えることになりますので、行わない方が無難です。
最悪、ホイールやボトムブラケット、ディレイラーの寿命を大幅に減少させることとなります。

注油に関しても同じような理由で、ハブやボトムブラケットに注油すると内部のベアリングのグリスが流れ出てしまうので、タブーとなっています。

ブレーキやディレイラー関連パーツの取り付け台座への注油がタブーとなっているのは、この部分への注油によってネジが回転によって緩むと、安全性に重大な問題が起こる可能性があるからです。

また、ブレーキの制動力に問題が発生する部分への注油も行わないようにじましょう。
特にディスクブレーキパッドにオイルが付着した場合は、パッドの交換を行わないといけない事態に陥りますので注意が必要です。

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